Solo Exhibition “REFLECTION”
@talklein
Region : Fukui, Japan
Year : 2022
Eyewear and Mirror ※will be started producing soon
人と人のコミュニケーションにおいて、顔が果たす役割は大きい。目の位置や形、眉の傾きなど構成されるパーツのバランスは顔の印象を作り出し、表情を豊かにする。このことにおいて、顔の中心に置かれる眼鏡のデザインは、繊細な造形のバランスと顔との関係を探ることでもあります。
また、0.1mmの違いでも印象を変える眼鏡は、その製造方法も緻密な工程を必要とします。100年以上眼鏡製造の歴史を積み重ねてきた鯖江/福井。この土地で高まるものづくりと独自性を目の当たりにした私は、繊細な眼鏡製造のノウハウは他のプロダクト領域に生かせるのではないか?という問いに至りました。
そこでその可能性を探るため、スイスにあるローザンヌ美術大学(ECAL)に学びを求めました。四方を大国に囲まれた土地はアイデンティティを自覚し、様々な文化をつなぎ、明快な手法で表現する高度な術を持っていました。独自技術と強みをもとに、新たなチャレンジを続ける欧州の老舗ブランドとのコラボレーションの中で、レガシーを大切にし、革新を続けていく眼差しを実践の中で学ぶ機会となりました。
初の個展となる本展では、眼鏡デザイナーでもある自身が眼鏡を見つめ直し、素材や構造、意匠などから新たなプロダクトの可能性を探る、実験的アプローチの断片を展示いたします。
眼鏡の多くは線材、もしくは板材をもとにプレスや切削、ベンディングなどによって形作られます。各工程では、先人の知恵と弛みない技術革新において、美しさと佇まいをおびてゆきます。その多くは死角を持たず、機能は意匠となり、意匠は機能となります。また、眼鏡は見る道具であり、同時に見られる対象でもあります。見る⇇見られるの関係において眼鏡との関わりの深い”鏡”を作ることにしました。
今回の作品たちは様々な熟練した職人達との綿密な打ち合わせのもと、実現することができました。職人達の高い技術力と、産業の新たな可能性を感じられる展示になればと願っています。